主に20坪(66平米)以下の土地に建てられる家のことを狭小住宅といいます。住宅密集地や土地が細かく分けられていることが多い都市部でよく見られる住宅タイプです。

土地面積が小さい分、設計力が求められるという点が特徴で、設計力や施工実績の乏しいところに依頼してしまうと、土地の面積を最大限に活かせなかったり、動線や採光のよくない家になってしまうこともあります。

そこで、数あるハウスメーカーの中でも、特に狭小住宅が得意なハウスメーカーをランキング形式でご紹介!

ハウスメーカーで狭小住宅を建てて住んでいる人の口コミも多数あるので、ハウスメーカー選びの参考にしてみてください。

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狭小住宅に強いハウスメーカーの比較ポイント

どのハウスメーカーも「狭小地や変形地も大の得意」や「住みやすい狭小住宅を建てられる」などとアピールしているため、どこも同じように感じてしまいがちですが、次の4つを比べることで「本当に狭小住宅に強いハウスメーカー」がわかります

  • 耐震性
  • 遮音性
  • 間取り自由度
  • 狭小住宅の施工実績

耐震性や遮音性は多くのハウスメーカーが数値(耐震等級やD値など)を公開しているので確認しやすいのですが、狭小住宅の場合は間取り自由度と施工実績がとても大切です。

限られた敷地の中でどのような提案ができるのか、その提案力が「間取り自由度」と「狭小住宅の施工実績」に左右されるのです。ハウスメーカー選びの際はこの2点もしっかりと比較しましょう。

耐震性

狭小住宅ではない普通の住宅でも耐震性は重要ですが、土地面積の小さい狭小住宅の場合はより重要になります

土地が狭いということは、足元の土台となる部分も小さくなり、建物が縦に長くなりがちです。狭小3階建てだと特に縦長の形になるため、地震の際に揺れやすいというデメリットがあります。

今はどのハウスメーカーや工務店も耐震性の高さをアピールしていますが、1番単純でわかりやすいのは耐震等級です。

耐震等級は1~3にわかれていて、最上級の3なら1の1.5倍もの耐震強度になります。大きな地震はいつくるかわかりませんので、まずは耐震等級3を取得できるハウスメーカーを選びましょう

ちなみに、耐震等級3を取得しておくと、地震に強い家であることの証明になると同時に、住宅ローン金利や地震保険料が安くなるなどのメリットもあります。

地震に強いハウスメーカーランキング」も参考にしてみてください。

遮音性

狭小住宅は住宅密集地に建てられることが多く、隣家や道路との距離が近くなりやすいため、家の遮音性(防音性)がとても重要です。

遮音性能が低いと…

  • 隣家からの音が聞こえてきて静かに過ごせない
  • 隣家への迷惑が気になって家の中でも子どもが自由に騒げない

など、ストレスのたまりやすい家になってしまいます。

隣近所や上下階への迷惑を気にするのが嫌になって、マンションから戸建てに住みかえるというケースもとても多いですが、遮音性が低いと「せっかく戸建てにしたのに…」なんて後悔にも繋がりかねません。

そうならないためにも、外壁の遮音性能をあらわすD値を確認しておきましょう。遮音性がかなり優れていると言える「D-40」か「D-50」がおすすめです。

防音性・遮音性が高いハウスメーカーランキング」も参考にしてみてください。

間取り自由度

狭小住宅となる土地は、ただ単に面積が小さいだけではなく、変形地と言われるような変わった形をしていることも多いです。

旗竿地のように間口が狭かったり、三角形や細長い長方形のような形をしている土地もたくさんあります。

そのような土地でも住みやすい家を建てるためには、細かなところまで調整ができる自由度の高いハウスメーカーを選ぶことが重要です。

狭小住宅は1フロアの面積が小さいため、

  • リビングや水回りは何階にするのか
  • 寝室と子供部屋はいくつ作るのか
  • 各部屋の広さをどうするのか

これらをしっかりと考えるのはもちろんですが、これらを実現できる間取り自由度の高さも必要となるのです。

同時に、住宅密集地に建てられることの多い狭小住宅は、どこからどれだけの日を入れられるか、採光にも気をつけて間取りを考えなければなりません

設計力や間取り自由度が低いと、日当たりのいいちょうどいい場所にどうしても窓がつけられなかったり、常に照明をつけていないと暗い室内になってしまったりする可能性もあります。

実際に狭小住宅に住み始めてから後悔することにならないように、動線や採光をしっかりと考えた間取りプランを作ってくれるハウスメーカーを選びましょう

狭小住宅の施工実績

一般的なサイズの戸建ての施工実績は豊富でも、狭小住宅はあまり施工したことのないハウスメーカーや工務店も少なくありません。

特に都市部ではなく、地方を主な施工エリアとしているところは、狭小住宅の施工実績が乏しいことが多いです。

「狭小住宅でも普通の大きさの戸建てでも、戸建ては戸建てだから同じなのでは?」と思われがちですが、狭小地に家を建てるのであれば、狭小住宅の実績が豊富なハウスメーカーを選びましょう

と言うのも、狭小住宅は住宅密集地に建てられることが多く、高さ制限・斜線制限・日影規制といった法規制を受けやすいため、設計や間取りにも大きな影響を及ぼしてしまうのです。

先述の間取り自由度にも関わってきますが、狭小住宅の施工実績が豊富であれば、過去の経験やノウハウから、規制をちゃんと守りながらも、住みやすい家を建てる工夫をしてくれます

一方で、狭小住宅の実績があまりないと、こちらの希望をほとんど叶えられなかったり、動線や採光のよくない暮らしにくい狭小住宅になってしまうこともあります。

そのため、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際には、担当者に過去の狭小住宅の施工事例を見せてもらうことが重要です。

そして、過去の事例から、自分たちの家に活かせる工夫やポイントはないか、担当者に根掘り葉掘り聞いてみましょう

ヘーベルハウス

商品名 なし
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-40)
間取り自由度
施工実績

都市部での家づくりを特に得意としているハウスメーカーです。東京・大阪・愛知などといった大都市圏を中心に事業を展開しています。

ヘーベルハウスの特徴は何と言っても「頑丈な家」であることが1番です。耐震性も耐久性も非常に高く、万が一の災害が起きても安全に過ごせる家を建てています。

高い耐震性を活かした3階建ても得意としていて、採光の良い開放感のあるリビングや、いろんな形で活用できる屋上など、狭い土地でも最大限に利用した狭小住宅を建てられます。

また、外壁にはヘーベル板を採用しているのですが、このヘーベル板は防音性能や耐火性能が高く、住宅密集地に家を建てるのにピッタリの外壁材と言えます。

実際、都内23区では、ヘーベルハウスと後述の積水ハウスが施工数1位2位を争っていて、都市部で狭小住宅を建てるなら候補から外せないハウスメーカーとなっています。

ヘーベルハウスの評判・坪単価」のページでは、ヘーベルハウスの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

積水ハウス

商品名 鉄骨:鉄骨3・4階建て
木造:シャーウッド
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(推定D-40~50)
間取り自由度
施工実績

知名度も施工実績も日本一のハウスメーカーです。まさに日本を代表するハウスメーカーの1つで、家づくりを検討してない人にも知られている大企業です。

日本一になるほどの実績を積み重ねることができたのは、積水ハウスの信頼性が極めて高いからと言えます。

設計力・提案力・住宅性能・間取り自由度・アフターサポートなど、どれをとっても業界トップクラスで、家づくりにおいて「積水ハウスにできないことはない」と評されるほどです。

そして、これらの技術やサポートは狭小住宅にも活かされています。木造でも鉄骨造でも、2階建てでも3階建て以上でも、変形地でも旗竿地でも、ベストな提案を期待できます。

日本全国どこでも人気ですが、都市部では特に人気が高く、狭小地や住宅密集地での施工経験も豊富にありますので、狭小住宅を建てるなら積水ハウスは要チェックです。

積水ハウスの評判・坪単価」のページでは、積水ハウスの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

パナソニックホームズ

商品名 ビューノ3E/S
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:◎(D-50)
間取り自由度
施工実績

パナソニックグループのハウスメーカーです。以前はパナホームの名称で知られていましたが、2018年にパナソニックホームズという社名に変更されて現在にいたります。

狭小地では都市型3階建ての「ビューノ3E/S」や、3階建てから9階建てまで施工可能な「ビューノ」が人気となっています。

その人気の理由は、パナソニックホームズが採用しているHS工法(鉄骨軸組工法)にあります。

これは他のハウスメーカーよりも細かい15cm単位で設計できる工法で、都市部にありがちな狭小地や変形地でも、境界線ぎりぎりまで建築できるという特徴があるのです。

さらに、外壁はメンテナンスフリーで防音性能も高く、狭小3階建てにぴったりです。狭小地で3階建て以上を考えているなら、パナソニックホームズも検討してみてください。

パナソニックホームズの評判・坪単価」のページでは、パナソニックホームズの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

三井ホーム

商品名 CRECER(クレセール)
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-45)
間取り自由度
施工実績

洋風のデザインが特徴的で、アメリカ風やヨーロッパ風など、日本でよく見かける一般的な住宅とはちょっと異なった、デザイン性の高い家づくりを得意としているハウスメーカーです。

2×6工法(ツーバイシックス)をベースとした独自の「プレミアム・モノコック構法」で家づくりを行っているため、天井の高さを自由に設定できるという特徴もあり、限られた敷地でも開放感のある狭小住宅を建てられます。

また、狭小住宅は高さ制限や斜線制限が厳しい土地に建てられることが多いのですが、三井ホームオリジナルの屋根断熱パネル「ダブルシールドパネル」を採用することで、制限ぎりぎりまで活かせるのも強みです。

2×6工法なので、細かな間取り調整はさほど得意としていませんが、そこは都市部に強い三井ホームの経験と実績でカバーすることで、住みやすい狭小住宅を実現しています。

採光を考えた窓の配置や、狭小地だからこその魅力があるバルコニーやルーフトップガーデンなど、外観デザイン以外の部分もしっかりと考えられています。

三井ホームの評判・坪単価」のページでは、三井ホームの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

住友林業

商品名 プラウディオ
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-35)
間取り自由度
施工実績

木造住宅を考えているのなら1度は名前を聞いたことがあると言われるほど、木の家づくりにこだわっている人気のハウスメーカーです。

30坪前後のコンパクトな戸建ても人気がありますが、狭小地の多い都市部向けの3・4階建て商品「プラウディオ」もよく選ばれています。

  • 細長い敷地でも大収納を確保したプラン
  • ワンフロアにLDKと水回りをまとめたプラン
  • 北側斜線制限をうまく活用した吹き抜けプラン
  • 敷地と斜線制限に対応している2階リビングプラン

など、プラウディオの都市型3階建てプランが複数用意されていて、いずれも3階建てでありながらも、動線の考えられた暮らしやすい狭小住宅プランになっています。

また、コーナーサッシ・フルフラットバルコニー・キャンティレバーなど、開放感を感じられる様々な工夫が用意されていて、狭小住宅でも圧迫感を感じずに暮らせる家づくりができます。

住友林業の評判・坪単価」のページでは、住友林業の耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

ダイワハウス

商品名 鉄骨:skye3(スカイエ)
木造:グランウッド
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:◎(D-50)
間取り自由度
施工実績

「人生を豊かにする自由設計」をコンセプトに家づくりを行っているハウスメーカーです。木造と鉄骨造の両方で狭小住宅を建てられます。

木造はグランウッド-都市暮らし-という商品が、鉄骨造はskye3という商品が、それぞれ狭小地に強い商品となっています。

中でも注目を集めているのは新たに誕生したskye3です。狭小住宅でもっとも重要とも言える敷地対応力も優れた商品です。

  • 隣地境界線ぎりぎりまで寄せられる「斜線対応」
  • 隅切り敷地や変形敷地に対応した「斜め45度外壁」
  • 施工が難しい現場でも安全に施工できる「狭小無足場工法」
  • 駐車場や庭として有効活用できる「キャンチルーム&バルコニー」
  • 敷地をぎりぎりまで有効活用できる「一面11.5cm&他の面23cmきざみの設計」

など、まさに狭小住宅に特化した内容となっています。都市部や住宅密集地で狭小住宅を建てるなら、ダイワハウスも見逃せません。

ダイワハウスの評判・坪単価」のページでは、ダイワハウスの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

ミサワホーム

商品名 センチュリープリモア3
ジニアス まちの空
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-35)
間取り自由度
施工実績

家の収納力をぐーんとアップさせる「蔵」が特徴のハウスメーカーです。6面体を面で接合して家を建てる「木質パネル接着工法」という工法を採用しています。

狭小住宅プランとしては「センチュリープリモア3」と「ジニアス まちの空」という2つの3階建て商品が用意されています。

前者はミサワホーム一押しのセンチュリーモノコック構造を採用した上位プランです。自由設計で様々な希望を詰め込めるため、狭小地でも理想的な3階建てを建てられます。

後者はコストパフォーマンスを優先させたプランです。セミオーダー式で、ある程度決められた規格の中から選んでいく形になりますが、そのぶん費用の負担を抑えられます。

なお、どちらを選んでも「蔵」はつけられますので、住み始めてから収納が足りない…と後悔しがちな狭小住宅でも、収納をたっぷりと取れる点は大きな魅力と言えます。

ミサワホームの評判・坪単価」のページでは、ミサワホームの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

トヨタホーム

商品名 シンセシリーズ
エスパシオシリーズ
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-35)
間取り自由度
施工実績

自動車でおなじみのトヨタグループのハウスメーカーです。木造も鉄骨造も扱っていますが、木造はまだ始めたばかりということもあり、鉄骨造がメインとなっています。

トヨタホームの鉄骨造には2種類の商品があります。ユニット工法の「シンセシリーズ」と、鉄骨軸組工法の「エスパシオシリーズ」です。

どちらも鉄骨造で耐震性能はとても高く、狭小住宅も建てられるのですが、狭小地や変形地での家づくりに向いているのは後者のエスパシオシリーズの方になります。

ユニット工法よりも鉄骨軸組工法の方が設計自由度が高く、敷地をより活かしやすいことが理由です。

実際、エスパシオシリーズには住宅密集地向けの都市住宅「エスパシオメッツォ」や、都市型住宅の工夫を詰め込んだ「エスパシオエフ」といった、狭小3階建てプランも用意されています。

トヨタホームの評判・坪単価」のページでは、トヨタホームの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

セキスイハイム

商品名 スマートパワーステーションFXアーバン
デシオ
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(D-40)
間取り自由度
施工実績

ユニット工法で家づくりを行う人気のハウスメーカーです。工場生産された制度の高いユニット(鉄の箱)を現地で組み立てるという形で家を建てていきます。

2階建ての「スマートパワーステーションFXアーバン」や、3階建ての「デシオ」が狭小地に対応できる商品となっていますが、ユニット工法が狭小住宅をあまり得意としていないというデメリットがあります。

大きなユニットを組み立てていくため、間取りの自由度が制限されるほか、そもそも巨大なユニットを運ぶための大きなトラックが通れる周辺道路も必要となるのです。

狭小住宅は住宅密集地でよく建てられるという事情もあり、これまでご紹介した各ハウスメーカーと比べると、狭小住宅に強いとは言えませんが、高性能外壁や大容量太陽光発電で、住んでからのコストを抑えられるというメリットがあります。

セキスイハイムを代表する「磁器タイル外壁」は、多額の費用がかかる塗り替えも必要がなく、汚れもつきにくいという優れものです。狭小3階建てなら特にその魅力を実感できるはずです。

セキスイハイムの評判・坪単価」のページでは、セキスイハイムの耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

一条工務店

商品名 3階建て住宅
耐震等級 3(最高ランク)
遮音性能 外壁:○(推定D-30~40)
間取り自由度
施工実績

断熱性や気密性など、住宅性能に特化した家づくりを行うハウスメーカーです。「家は性能」のスローガンのとおり、高気密高断熱住宅+全館床暖房の施工を得意としています。

主力商品にはツーバイシックス工法を採用しているため、細かな間取りの調整はあまり得意としていません。さらに独自の一条ルールと呼ばれる規制もあり、間取り自由度は高いとは言えません。

同様に、外観デザインも自由度は低く、一条工務店で建てた家は見たらすぐわかると言われるほど、外観が似通ってしまうというデメリットもあります。

しかし、間取りや外観デザインの制限というデメリットがかすんで見えるほど、高断熱高気密住宅+全館床暖房の快適さというメリットが強いです。

特に狭小住宅が得意というわけではありませんが、30坪前後のコンパクトハウスの施工実績は豊富ですので、高気密高断熱な狭小住宅を建てたいなら一条工務店も選択肢に入れてみましょう。

一条工務店の評判・坪単価」のページでは、一条工務店の耐震性・遮音性に関する詳しい解説も読めます。

まずは間取り&見積もりを揃えることから始めましょう!

家づくりを検討し始めると、とりあえずまずは住宅展示場に…となりがちですが、これはNGです。時間も体力も労力もむだにかかってしまいます。

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